「フロイト的失言」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。その意味を考えたことはありますか。そもそも、なぜ人は言い間違いをするのでしょうか。また、それをどう解釈できるのでしょうか。精神分析の巨匠ジークムント・フロイトの著書は、こうした疑問をはじめ多くの問いに答えてくれます。
フロイトは、人を支援するこの心理療法の創始者です。本書は講義をまとめたもので、誰にでも理解しやすい平易な言葉で書かれています。専門用語も登場しますが、多用されてはいません。それぞれに詳しい説明があるため、内容を無理なく理解できます。
フロイトによる夢の解釈
一つの章を丸ごと夢の分析に充てています。フロイトは心理学の視点から夢を巧みに読み解き、その象徴的な言葉の意味を説明します。この章を読むと、どのような解釈の方法があるのか、理解しにくい夢にどう向き合えばよいのかがわかります。性格形成の始まりとなる幼少期へのつながりや、性的な背景にも目を向けています。自分の夢を扱う方法を学び、願望の実現につなげられるかもしれません。本書を読んだ後は、夢を分析しながら心の奥を探れるようになるでしょう。
フロイトによれば、夢は無意味で混乱したものではなく、隠された願望を映し出すものです。興味深いことに、夢を無意識と結び付けて解釈する考えが浮かんだ時を、フロイトははっきり覚えていました。それは1895年の夏、ウィーンにあるレストランのテラスでのことでした。後にフロイトは、その場所に「ここでフロイト博士が夢の秘密を発見した」と書いた記念板を掲げるべきだと冗談を言っています。
強迫行為
この章では、意図せず繰り返す儀式的な行動や習慣について、実際の診療例を交えて説明しています。毎日繰り返している意味のない行動を、本人が特に気に留めないこともあります。フロイトは、無意識の「儀式」と人の心理、性、幼少期の心的外傷との関係をたどります。著者が挙げる興味深い事例からは、人の心理の奥深さが見えてきます。強迫症状を引き起こした人生の重要な出来事やストレスとの関連も示されています。本書全体と同様に、この章も患者に対するフロイトの観察に基づいているため、講義の内容をより理解しやすくなっています。
精神分析とは
精神分析とは、神経症を対象とする分析的な治療法のことです。表面的には、患者と医師が対話する形で進みます。しかし、その内側の仕組みははるかに複雑です。医師は、神経症の原因と無意識とのつながりを探ります。そのために、患者の夢や言葉、行動、習慣を細かく分析します。原因が見つかると、それを無意識の領域から意識へ移し、取り除いていきます。これは長い時間がかかる過程であり、患者からの全面的な信頼が必要です。
本書がおすすめの人
本書は「ほこりをかぶった古典」にはならず、100年以上にわたって読み継がれてきました。関心を寄せるのは、現役の心理カウンセラーや学生だけではありません。自分自身の心に興味がある人にも読まれています。
フロイトが本書で詳しく体系的に示した精神分析の理論は、20世紀の精神医学と哲学の発展に影響を与えました。心理学の世界における最も偉大な著作の一つであることは間違いありません。読むことで、これまで知らなかった自分の内面に気付き、無意識の謎に近づき、多くの問いに答えるための手がかりを得られます。知的な刺激に富みながら、興味深く読み進められる一冊です。
「しかし、私は皆さんを専門家にしようと考えていたわけではありません。ただ知識を伝え、関心を呼び起こしたかっただけです」(ジークムント・フロイト)

心理学に深い関心がある人も、これから学び始める人も、無意識について理解したいなら『精神分析入門』を読んでみましょう。精神分析を初めて学ぶのに最適な一冊です。また、「砂漠の立方体」というゲーム形式の心理テストでは、イメージと無意識の世界に触れられます。